入門物理学・第7,8回

前回と今回の最初を使って運動量保存則と力学的エネルギー保存則について講義。力積や仕事といった量の定義から入って具体的な計算まで見せたのでしんどい学生も多かったと思うが,得意の雑談で休憩を入れながら引っ張った。あとはどのくらい自分で練習してくれるかだなあ。
今日の冒頭には大学には何のために行くのかということや,海外を見てくるべきなのは「なあんだ,こんなに自由にやっていいのか。何に気を使ってたんやろ」という経験ができるからであるということを話した。1限の講義なので,だんだん遅刻や欠席が目立ってきたからこそ話したのだが,寝るのがもったいないとか,何か面白いことが起きるかもと期待して夜更かししても,まあ何も起きない。
なまじ真面目だったりすると「こんなに起きて時間を無駄にしてしまったのだから,取り返すために何か頑張らないと…」と,眠くて回らない頭で本などを広げてしまい,さらに時間だけが過ぎていく。さっさと寝てスッキリした頭でやればいいのに…という,そうした時間をアホほど繰り返してきた僕だから言える,説得力に満ち溢れた名言の数々を飛ばした。人がいかに弱いか,自分の経験を通じて知っておくことは大事だな。
今日の後半では熱力学の話をした。時間があまりないのに調子に乗ってブラックホール熱力学からホーキング輻射の話も出してみた。知っておいて損も得もないだろうし,バックグラウンドにある相対論や素粒子の予備知識は与えていないのだが,不思議と学生たちは食い入るように聞いてくれる。
高専時代もそうだったし,小学生の子供達に講座をやったときもそうだったのだが,内容が難しいとかいうことは人の集中力とはあまり関係がないようだ。僕ら研究者は難しいからこそ面白いと思っているわけだし,研究者ほど変わった人間でなくても試験のように時間内に解けないと「まずい」という制約がないのなら,難しいものでも「へえ,なんかすごそうな話があるんだな」となるということなのだろうか。例えば初めて漢和辞典を買ったときに,一番画数が多くて複雑な漢字は何なのだろうと調べた記憶が誰しもあるのではないかと思うが,似たようなものだろうか。画数が多い漢字はビジュアル的にも面白いという意味でも,似ているところがあるかもしれない。
講義の最後は次回から話す波の予告編。正弦波をいろいろと周期を変えながらいくつも足していくといろんな形ができるという,フーリエ級数が背後にある話を見せて,正弦波が役立つことを説明。さて次回からは音波と光波がテーマ。物理的なものの見方・最先端の科学との繋がり・具体的な問題が解けること・素朴な誤解をなくすことの4つをどう盛り込むか,腕の見せ所だ。

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