研究紹介

小林研では大きく分けて,ブラックホール・宇宙論・数理物理・メタマテリアルの4つのテーマについて研究しています。

ブラックホール班では Regular Black Hole と呼ばれる,内部に特異点を持たないタイプのブラックホールについて,その内部構造や周囲で起きる物理現象について研究しています。Infinite Derivative Gravity という,無限回の微分を入れたことで特異点を回避する重力理論におけるブラックホールについても調べています。


宇宙論班ではMultifractional 理論という,スケールに応じて次元が変化する時空の効果を取り入れた理論に基づいて,初期宇宙における物理現象について研究しています。


数理物理班は非線形微分方程式におけるグリーン関数を用いた解の構成方法について研究しています。通常,グリーン関数は線形な微分方程式にしか適用できないと考えられていますが,ある特殊な方法を用いると非線形まで応用できる可能性があり,その方法がブラックホール時空などの重力系にも応用できるかどうかを考察しています。

メタマテリアル班では水の波に対して負の屈折率を示す構造体の製作を行っています。水の波で負の屈折率を実現できることは,理論とシミュレーションでは示されていましたが,1年前に小林研の修士の学生が中心となって,世界で初めて実験で実装することに成功しました。この実験装置をさらに精密化し,様々な方向へと水面波を曲げる構造体を開発中です。さらには津波を消滅する機構についても研究しています。


最初は相対性理論どころか,力学や電磁気学すらあやふやだった学生たちも,少しずつ学びを積み上げ,一緒に研究できるまでに成長してくれました。彼らと研究を進め成果を出すことはもちろんですが,僕らはそうした成果や僕らが研究の過程で感じている興奮や面白さをエンターテイメントへと昇華することまで目標としています。

Kobayashi Shinpei / 小林晋平 Website

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