実は深い実験 その3

空気が部屋の中に均質に広がるパターンの数が,どこか一か所に固まるパターンの数よりも圧倒的に多いことを実感するために,単純な例で少し試してみましょう。

今,2つの玉 A, B があるとして,これを2つの部屋に分ける方法が何パターンあるか数えてみます。

表のように,2つの玉が左の部屋や右の部屋に偏る場合が1通りずつあり,それぞれ均等に分かれる分け方は2通りあることがわかります。このことから全部で4通りのパターンがあるうち,均等にわけるパターンが実現する確率は 2通りを4通りで割って 1/2 になります。

次に,玉を4つに増やしてみます。

すると今度は,左と右で4個と0個に分かれるのが1パターン,3個と1個に分かれるのが4パターン,2個ずつに均等にわかれるのが6パターン,1個と3個に分かれるのが4パターンで,0個と4個に分かれるのが1パターンです。全て合わせると16パターンなので,2個ずつ均等に分かれるパターンが実際に起きる確率は 6/16 になります。少数に直せば 0.375,すなわち 37.5% です。3個と1個に分かれるパターンや,1個と3個に分かれるパターンはそれぞれ 4/16 = 1/4,すなわち 25% ずつあります。

ということは,1個と3個,2個と2個,3個と1個というパターンを全て合わせると,

25% + 37.5%+25% = 87.5%

になります。残りの12.5% は,左か右,どちらかの部屋にだけ玉が偏ってしまうパターンです。この玉を空気の分子だとすると,4個の空気分子がどちらかの部屋に偏ってしまうという現象は,およそ 1/10 の確率でしか実現しないことが見積もれます。(その4へ続く)

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